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発起人の決定

新会社法

発起人の決定する

株式会社を作るには発起人が全株式を引き受ける発起設立と、そうではない募集設立があります。ここでは一般的な発起設立の場合を例に解説していきます。発起人とは会社設立の企画者として定款に署名する人の事です。

 

発起人の資格:制限はありません。自然人でも法人でもなることができます。未成年者でもなれますが、法定代理人の同意が必要です。ただし、15歳未満は印鑑登録できないのでなれません。人数も1人以上であればよく、上限はありません。ただし、多ければ定款作成や押印作業が煩雑になります。

 

発起人の役割:①定款を作成すること、②株主を募集すること(募集設立の場合)、③株主に出資金を払い込ませることです。

 

発起人の責任:会社不成立となった場合、発起人全員の連帯責任(取締役選任後は取締役も)となり、要した費用を負担しなければなりません。ただこの場合、会社不成立が考えられる原因としては、「資本金がほとんど払い込まれない」、「取締役・監査役を選任してない」、「手続が放置される」などという場合です。

 

設立手続きの方法

①募集設立と②発起設立があります。①募集設立は、発起人以外からも出資を募る場合で、さらに株式を一般から募集する一般募集という方法と、特定の関係者に働きかけて募集する縁故募集という方法があります。

②発起設立は、発起人として名を連ねたメンバーだけで出資全額を負担する場合です。

 

発起人会を召集する

発起人が確定した後、どのような会社にするのかを協議するものです。このとき、発起人会議事録を作成します。

 

発起人会での決議事項:
①会社の商号、目的
②設立時に発行する株式数と1株あたりの発行価額、将来発行できる株式の総数
③発起人の総代
④各発起人の引き受け株式数
⑤払い込み金融機関

 

※発起人が一人の場合は、発起人決定書を作成します。発起人会議事録(発起人決定書)は2通作成し、1通は会社保存用、もう1通は払い込み金融機関に提出します。

 

発行株式に関する事項の決定

発起人は募集する株式発行数、募集株式の払込金額、払込期日を定め、申し込みするものにその旨を通知します。申し込みする人は発起人に氏名・住所などを記載した書面を交付します。

 

発起人は申込者の中から株式を発行する者を定め、発行する株式を割り当てます。発起人は払込期日あるいは払込期間の末日から遅滞なく創立総会を招集しなければいけません。

 

定款認証後、発行する株式について定めます。発起人が割り当てを受ける株式の数と、株式と引き換えに払い込む金銭額、会社設立後の資本金・資本準備金の額を定める必要があります。

 

類似商号と目的相談

類似商号の有無の調査

株式会社の発起設立について説明します。新会社法の施行によって類似商号の調査がなくなりました。つまり、同一市区町村内に、同じ事業目的の同じ名前の会社を作ってもよいということです。

 

ただし、有名企業と同じ名前になる場合は、商標権などの事前調査は必要です。従来は、同一市町村内に他の会社と同一の商号があれば登記することはできませんでした。そのため登記手続きにおいて会社の目的が厳格に審査され多くの手間と時間がかかっていました。

 

会社法が改正されたことで、同一市町村内に類似商号がある場合でも住所が異なっていれば、登記することができるようになりました。ただしこれは円滑・迅速な登記手続きを進めるためのものであり、類似商号を使用するにあたって第三者が誤認するような事態になれば別途差し止め請求をすることができます。

 

類似商号使用の差し止め

住所が異なっていれば、有名な大手企業と同じ商号を使用することができるようになったため不正目的で類似商号を使用するケースも想定されます。当然そのような目的で使用し、営業上の損害を被った場合は、類似商号の使用を差し止めることができます。

 

有名な大手企業と同じ看板をたてることで集客し、お客さんも有名企業と誤認して思わぬ損害を被ることが予想できます。その分、類似商号を使用された側にとっては不利益を被るわけですので、類似商号を使用しないよう請求できるんですね。

 

ただし、侵害者の不正目的の立証が必要となります。不正競争防止法と似ていますが、不正競争防止法の場合は、使用された商号の周知性・著名性もあわせて要求されるのに対し、類似商号使用差し止め請求の場合は、周知性・著名性までは要求されません。

 

不正目的の立証だけで良いのですが、実務上では周知性・著名性まで要することが多いように思います。世間一般に知らわたっている○○と同じ看板をだしていたら、誰だって誤解してしまいますよね。

 

事業目的の適格性

目的相談とは、事業目的の適格性の有無を判断することです。しかし、新会社法の施行によってこの目的相談の調査がなくなりました。先に書いたように、類似商号の調査が不要になったので、同じ営業が否かの審査も必要ありません。

 

ということは、会社の目的についても包括的な記載が認められるということです。従来これらの作業には、半日からまる1日かかりました。もちろん専門家に頼めば、それなりのコストもかかります。今回の改正によって大分こういった手間から開放され、簡単に会社をつくることが可能になったのです。

 

 

 

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